- 2008年5月 2日 19:45
ヒトミテのサポーターになっていただくべく、周囲の興味がありそうな人に順次声を掛けさせていただいています。
既にアートマネジメントに取り組んでいるようなアート界の人だけではなく、マーケッター、ウェブ屋などのいろいろなジャンルの人々にもお声がけしています。
そうすると、それらの皆さんから質問されるのが「そもそもアートマネジメントって何?」という疑問です。
私も当たり前のように「アートマネジメント」という言葉を使ってしまっていますが、ここで整理のためにアートマネジメントとは何か、を書いておきたいと思います。
一言で書いてしまえば、アートマネジメントとは、「芸術を経営する」概念のことです。
しかしそれだけではあまりにも簡単すぎるので、補足して、私の考えるアートマネジメントについて書いてみたいと思います。
私が考える、アートマネジメントとは――。
アートという「目に見えない価値」をきちんと評価すること、そしてそれが本当に価値あるものだと理解されるのならば、そのアートを社会の仕組み作りに応用していくということ。
これがアートマネジメントだと思います。
この中にはいくつかのステップが含まれています。
(1) アートマネジメントの最終形は「アートを社会の中に応用していくこと」です。例えば教育、街づくり、国際交流など、いろいろな社会の事象に応用ができるはずです。
(2) しかしその前に、「アートが(私たちにとって)有用なのだと評価すること」が必要です。その評価(あるいはその価値の説明)ができなければステイクホルダーを納得させることが出来ません。
(3) さらにはその以前に、「そもそもアートの存在を維持すること」が必要です。そのアート自体が衰退してしまえば、社会に応用する以前に元も子もありません。
具体的な例に置き換えれば、
(3)は、アート事業がどうやってお金を得るかという話、集客や広報の手法などの話になります。
(2)は、アート事業の力をどうやって説明するかという話、アートの力の効果測定といった話になります。
(1)は、社会の中でどんなアート事業ならば世の中に成立し得るのかという、企画事例の話になります。
ヒトミテでは、必ずしも上記のような分け方でインタビューを行なうわけではありませんが、基本的なアートマネジメントへの認識ということで上記ご紹介しました。
ところで、「アートマネジメントって何?」という話題をやり取りしている中で、あるサポーターの方からのメールにこんな言葉があるのを見つけました。
今の日本人に必要なのは、目に見えない価値があるものに対して、きちんと価値を評価して、対価を払うセンスだと思ってるんだよね。
このサポーターさんは、国内でも相当知られた、いわゆる「成功事例」のサービス産業に従事している方です。
「サービス」や「アート」という、価値が計りにくいものに対して、今こそ真摯に向き合う姿勢が求められているのだなと感じています。
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